月残業30時間まで…新入社員会社生活調査

 この度、産業能率大学は、新入社員の働く意欲や新社会人としての意識、将来の目標などに関するアンケートを実施し「2017年度新入社員の会社生活調査」としてまとめました。長時間労働の是正など「働き方改革」の議論が進む中、今年度の新入社員に1か月の残業時間は何時間まで許容できるか尋ねたところ「30時間以上は許容できない」との回答が、男性62.7%、女性79.8%という結果になりました。「11時間~20時間」までの回答が最も多く、全体では27.9%となっています。

 

 転勤等を伴わない採用枠(地域限定社員制度等)を設ける企業が話題になっていますが、「一度も転勤せずに同じ場所で働き続けたい」とする回答が最も多く(28.0%)となりました。僅差ですが「転居を伴う場合でも期間が限定されていれば転勤してもよい」との回答が27.6%となっています。無条件で転勤を許容できるのは、4人に1人という結果ですが、調査が行われた企業所在地が首都圏を多く含みますので、東北地方では結果がちょっと違ったかもしれません。

 

 

 2017年度入社社員の就職活動について、「大変だった」「思ったより大変だった」が、69.1%となり昨年より2.5ポイント減少したようです。また、「就職活動の満足度」は、94.0%が満足しているようで、1994年の調査開始以降3番目に高い数値となったようです。「就職先を選ぶ際に重視した項目」では、「業種」が最も高く61.6%、「職務内容」(59.7%)「福利厚生」(36.9%)、そして「給与水準」(36.5%)となったようです。

 

 

 2017年度の就職活動は、いわゆる「売り手市場」の様相もあり、比較的、希望に叶った企業への就職ができた人が多かったようです。就職活動で重視した項目でも、業種、職務内容についても学生時代から、「どんな仕事がしたいか」が明白で、近年の「長く働ける会社」への希望の高さをみても、キャリアアップの道筋やキャリアパス等の人事制度が明らかな企業であろうことは推測できます。近年、多くの業種で人材の育成とキャリアパス人事制度構築の重要性が着目されていますが、福島県の人手不足解消の対策としても長く働くことができる会社の仕組みつくりが必要だと実感しました。