介護保険の改正についての私見

 平成30年の介護保険の改正に向けて様々な動きが活発になってきたようです。6年ごとの見直しが原則であった介護保険の改正ですが、2012年改正後の3年後の2015年に異例の改正が実施され、高額所得者の自己負担2割の実施、特別養護老人ホームの長期入所者の変更など、大改革が実施されました。これらの影響は大きく2015年には、制度施行以来過去最多の76件の介護事業所が倒産しました。

 

 2018年改定は、すべてのいわゆる「団塊の世代」が75歳を迎える2025年への通過点に過ぎず、国民の3人に1人、5人に1人という医療と介護を中心に社会保障制度の破たんを目前という時代を迎える現実があります。地域における医療及び介護を総合的に確保するための基本的な方向性とは、どのようなものなのでしょうか?具体的には、後期高齢者(75歳以上)の増加に伴い、医療・介護をさらに一体的に提供していく仕組み(地域包括)、事業者の介護報酬を抑制しつつ、現役世代、高齢化世代の保険料負担等を増やしてもらうことが施策の大前提ですね。

 

 

 今国会で通過した介護保険改正案ですが、基本的には昨年12月諮問会議で決定された経済・財政再生計画改革工程表に沿って進められているように思います。一つは介護人材の資質向上と事業経営の規模拡大やICT・介護ロボットの活用による介護事業の生産性向上としての「公的サービスの産業化」です。もう一つが、世代間、世代内の公正化を確保しつつ、制度の持続性、利用者負担のありかたについての「負担能力に応じた公平な負担・給付の適正化」の問題ですが、介護支援・認定の軽度者への給付見直し地域支援事業への移行など生活に関する大きな変更があるようです。2018年は国民にとっても介護事業者にとっても厳しい現実の世界へ突入します。

 

  現在、仕事で居宅系サービス事業者への人材確保、育成に関しての制度構築、介護職員処遇改善加算のコンサルタントを行っています。その中で事業者として多くご意見や考えかたをお聞かせいただき、前向きな仕事へ思いを感じ入っています。しかし、来年度の介護報酬改定では、改善加算を上回る減収になる事業所が増加し、倒産する可能性が高いようです。医療・介護報酬の同時改定は日本の抱える超高齢化問題の国家的取り組みであることをご理解いただき、事業内容の見直し、公益・収益事業への転換などあらゆる経営手法で、この経営危機を乗り切ってください。