企業の人材確保の取り組み

 企業の人材確保は、現在の人事労務管理における最大の課題で、一部では「採用氷河期」が到来しているとも言われています。特に中小企業を中心に採用困難な業界や職種、地方ではすでにこの波が直撃しているとも言われています。この度、帝国データバンクでは、人材活用に関する新たな取り組みの状況、企業の求める人材像に関する調査を実施、その内容を報告しています。

 

 調査報告によりますと、人材採用のために新たな取り組みを行った企業は、全体の72.2%で、最も多くの企業が行っている取り組みは「賃金体系の見直し」(46.6%)で、企業規模が小さいほど高い割合になりました。

 また、企業が求める人材像は「意欲的である」(49.0%)で、半数の企業から支持されました。2位には「コミュニケーション能力が高い」(38.6%)、「素直である」(32.2%)が続いています。

 

  

 人材確保の取り組みを実施している企業の割合が高かったのは、運輸・倉庫、建設、サービスなどの人材確保をより切実な問題と捉えている業界で、全体として実施率70%を超える業界が6業界ありました。「賃金体系の見直し」の選択率がトップとなった業種は51業種のうち48業種におよび、ほとんどの業界で賃金制度を見直してでも人材を確保したい意向が高いことが判明しました。

 

 ただし、賃金体系の見直しが正社員増加につながるとした企業は33.6%にとどまり、必ずしも増員のための施策ではないことが示唆されます。その他の選択肢として「就業制度の充実」(23.5%)、就業制度の多様化、柔軟な働き方など労働者個々の事情への対応力を高め、政府の進める「働き方改革」により長期的な雇用の確保を目指す傾向が強まっているようです。企業の求める人材像も主体性をもつ「能動型人材」より、組織内の対人対応力の高い「協働型人材」を選択した企業は多かったようです。「和をもって尊しとなす」、日本人、古来の働き方への性向がうかがえる結果でした。