業務マニュアルの重要性

 先日、関与させていただいております総合小売業の企業様より、人材確保、業務品質改善のご相談を受けました。人手不足の時代、ほとんどの企業での経営者のお悩みは、人を募集しても集まらない、定着しないことではないでしょうか。今回は、緊急を要する事案なので、新採用者向けの日常的に要するスキルに関しての「業務マニュアル」を部門別に優先順位をつけて作成することにしました。

 

 業務マニュアル作成は業務分析から始まり、日常業務の追われる中では作成時間の確保がむつかしいと思います。業務マニュアルの目的は、「業務の標準化」と「品質管理」にあります。社内業務マニュアルが整備されることによって、経験の少ない従業員や発生頻度の低い業務でも効率的な仕事ができるようになります。退職や休業によって一人でも欠けることで業務に支障をきたすことが予測できるのであれば「業務マニュアル」は作成してくれるように関与先にはお願いしています。

 

 

 今回の事案は、採用が決定しても仕事を教える人がいない、また負担が大きいとのことで小職がその後の業務フロー分析と業務改善対策を含めて発注をしていただきました。コンサルタントといっても総合小売業(スーパーマーケット)の仕事がわかるわけでもなく、やはり現場リーダーさんに協力のお願いすることから始まります。各部門のヒアリング、課業の洗い出しから業務分析、写真撮影と人事制度構築の一丁目一番地は変わりません。

 

 日ごろから多くの企業での課題として、職務分掌の必要性と情報の共有化対策を感じています。業務マニュアルといっても使う部署や人によってかわりますし、目的やどこまでの情報内容にするのかで変わってきます。

基本的な業務は、誰がやっても同じ水準で仕事ができる。組織としての仕事の標準を目的として使い、運用後は、半期や年度の区切り等、定期的にマニュアルの内容をチェックする場を持つことが望ましいことです。定期的に業務マニュアルの見直し、業務に対する新たな発見や改善があり、その積み重ねによって、経営面への効果も期待できるようになります。