条件がよい会社があればさっさと移る!

 日本生産性本部では、同社主催の新入社員研修参加者を対象とした意識調査を毎年2回開催していますが、その最新の結果(2016年度 新入社員 秋の意識調査)が公表されました。最近は働き方改革の波が押し寄せており、多くの企業で労働時間削減の機運が高まっています。それに呼応するように、「条件がよい会社があればさっさと移ったほうが得である」という答えが半数以上と、新入社員の価値観が大きく変わっていることを、再認識させる衝撃の結果となっています。

 

 極度の人材難という環境では、苦労して採用した新入社員の定着を図りたいと当然考えることになりますが、新入社員の転職に対する意識は大きく変わっているようです。条件の良い会社があればさっさと移るほうが得だ」と思うかという質問の結果は「そう思う」は54.6%過去最多、「そう思わない」は45.4%という結果となりました。昨年の春の調査では、「そう思う」の回答が28.0%しかなかったのが、たった半年で26.6%増と倍増しています。


 

 「自分には仕事を通じてかなえたい夢がある」との質問では、「思う」と答えた割合が37.8%と過去最低でした。リーマンショックの2008年と比べてても10ポイント以上の下落です。「残業が少なく、平日でも自分の時間を持て、趣味などの時間が使える職場が良い」では、「そう思う」86.3%、「子供が生まれたら育休を取得したい」では、「そう思う」84.1%といずれも過去最高となっています。自分の時間、家族との時間を大事にしたいという傾向が顕著に表れています。

 

 日本人の「働き方」は、政府の残業時間100時間未満の議論とは無関係に、大きな転換期を迎えているようです。2月14日から10日間、東京商工会議所は、企業の意識調査を行い「残業時間を減らす努力をしていますか?」の問いに8割以上の企業が、残業削減の取り組みを行っていることがわかりました。 規模別で見るといずれも大企業が積極的にこれらの取り組みを進めていることが分かり、人手不足で余裕の乏しい中小企業での取り組みが遅れている結果がみえてきました。中小企業だから仕方ないと取り組みを放棄すれば、最終的には人材不足による事業危機にも繋がり兼ねません。様々な制約がある中でも、効果的な仕事の進め方を模索する必要があります。