高年齢者雇用について

 今回、雇用保険法が改正され、平成29
年1 月1 日からこれまで雇用保険に加入できなかった65 歳以上で新規に雇入れた従業員についても、加入要件に満たした場合には、加入することとなりました。これに伴い、平成29 年1 月1 日現在にすでに雇っている65 歳以上の従業員も対象となり、雇用保険の手続きが必要になります。私の顧問先、関与先の事業所においても加入対象者の確認を現在行ってもらっているところです。

 

 労働力不足が深刻化する中で、高齢者がより一層活躍できる社会環境を整備していくことが重要になっています。60歳前半層については、企業内の継続雇用制度が定着しつつある中で、一層の能力発揮、従業員が納得して働き、高い生産性をあげることができる雇用管理制度を検討していくことが課題となっています。労働政策研究・研修機構では、昨年度、継続雇用者の定年後の配置の在り方について、定年後の仕事内容を変えない「無変換型」、仕事内容を変えずに責任の重さを変える「責任変化型」、定年前後で仕事内容を変える「業務変化型」の3類型において、人事労務管理の特徴を探った報告があります。

 

 

 「無変換型」では、60代前半層の雇用の確保には課題を感じない企業が少なくなかったのに対して、「責任変化型」「業務変化型」では、担当する仕事を自社内で確保するのが困難、管理職であった者の扱いが難しいなどの課題が山積する実態が見えてきました。60歳前半層の雇用確保については、生産性や労働意欲等の確保面からも「無変換型」が、様々な課題発生の可能性を低くする傾向がみられるので、現在の仕事で高年齢においても配置可能な雇用管理を検討する必要がありそうです。

 

 60代後半層では、65歳以降の就業者には何らかの転職を経験してる場合が多く、正規・非正規等の就業形態の変化、大企業から中小企業など企業規模の変化、職業などの変化が多いようです。求職活動において雇用形態や求められる仕事・役割に応じて多様なマッチングルートを活用するなどの積極的傾向が見られます。高年齢者の雇用に関しては、その持てる能力を十分に発揮してもらう人事労務管理の体制が重要ですが、高年齢者の中途採用に関して評価制度に基づき賃金を決めるのが望ましいとしている企業ほど、正規雇用の中途採用を実施している可能性が高い結論を得ているようです。今後、人手不足の分野が拡大し、高年齢者の中途雇用が拡大していくと思われます。前提として評価制度に基づく賃金制度が重要になりますが、何よりも持てる能力をどの様な仕事に発揮してもらうのかが採用・配置の決定要因になると思います。