勤務時間インターバル規制

 「勤務間インターバル規制」とは、時間外労働などを含む1日の最終的な勤務終了時から翌日の始業時までに、一定時間のインターバルを保障することにより従業員の休息時間を確保しようとする制度です。第12次労働災害防止計画の過重労働対策での議論において、長時間勤務の改善策として、またワーク・ライフ・バランス推進の具体策として注目を集めています。

 

 長時間労働の是正に資する政策というと、これまではもっぱら時間外割増率の引き上げが議論の中心でした。しかし、「働く人の心身の健康を保持する」という労働安全衛生の本来的な趣旨に照らせば、労働時間そのものに対する絶対的な上限の設定こそが、より実効性の高い規制として第一義的に検討されるべきでしょう。現状の国の動きとして、月残業時間100時間超事業所から80時間超へ重点監督対象を拡大、全国47都道府県労働局に過重労働特別監督管理官(仮称)を配置して監督指導に当たることにしています。

 

 

 EU(ヨーロッパ連合)加盟国では、1993年に制定されたEU労働時間指令によって、「24時間につき最低連続11時間の休息時間」を義務化する勤務間インターバル規制を定めています。日本では勤務時間インターバル規制にいち早く取り組んだのが通信事業業界です。24時間365日、ネットワークを維持することが求められ、部署によって、急な呼び出しや深夜労働も必要になります。そうした中、産業別労働組合の「情報労連」では先述したEUの取り組みに着目し、2009年の春季労使交渉(春闘)から「可能な組合においてはインターバル規制の導入に向けた労使間協議を促進する」ことを方針に掲げています。そして同年、傘下の「全国情報・通信・設備建設労働組合連合会」(通建連合)に加入する12社とKDDIで導入が実現し、翌2010年にはさらに通建連合加入の2社が導入を果たしました。

 

 

 長時間労働により過労死、メンタルヘルスなど、社員の健康を損なうリスクが高いことは企業もよくわかっています。一時的に企業の負担が増えても、社員の健康管理、優秀な人材確保のための最優先課題だと考える企業が増えつつあるも事実です。具体的事例として、ファミリーレストランジョイフルでは、「店長を含む従業員に「11時間以上の休息」制度を導入」NEC、「午後11時以降まで働いたら次の出勤を遅らせる」などの対策をとっている企業も多くあります。今後、企業の経営戦略としても十分検討の価値はあると私は思います。