
近年、ワークライフバランスの取り組みを行う企業が増えていますが、昨年末に話題となりました資生堂のワークバランスの取り組みについて考えてみようと思います。制度は整備されつつあるが、実際には社員に活用されていないのが日本企業の実情ではないでしょうか。欧米諸国に比べて日本では、恒常的に長時間労働が容認されいますが、「会社中心」の働き方を見直し、老若男女すべての従業員が仕事と個人生活の両面から生きがいや責任を果たせるリズムを見つけてほしいとの経営側からの想いのようです。人事に関する基本方針を「社員とともに」「社会と地球とともに」とする資生堂らしい取組みともいえるでしょう。
会社中心の働き方では、普通の生活者の暮らしを知ることも急速に変化している消費者ニーズを捉えることもできずに新しい付加価値のある商品、サービスを造りだすことは不可能になると考えたそうです。美容部員などの女性の多い職場ですので、ワーキングマザーに対する取り組みを次世代育成支援行動計画に取り入れ、「仕事の見直し」「両立支援」「次世代育成の社会貢献」で構成されています。またその実践のための10のアクションプランを掲げ、結果として子育てをしながら仕事をするのが当たり前の社風となり出産を機に退職する社員が激減したそうです。資生堂のこのような取り組みで、集中して働くことで時間当たりの生産性を向上させ、そのことで創出した時間を、男女限らず生活に有効に使うことが当たり前の社会になればいいですね。