
平成28年1月、社会保障・税制度の効率化・透明性を高め、国民の利便性を高め、公平、公正な社会を実現することを目的として、社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)が導入されることは、既にご案内の通りです。10月から始まったマイナンバー制度の番号通知カードの配達が大幅に遅れ、10%程度しか配達が完了せず、かつ11月中の配達は困難との記事が昨日の新聞にでていました。
今年に入ってから企業の人事労務担当者の間ではマイナンバー制度導入の話題でもちきりで、各地の商工会議所主催のセミナーやシステム管理会社のセミナー、相談会も大盛況であった話は聞いていました。私の顧問先でも会計事務所を通じて説明を受けた企業様が多く、就業規則等の変更が必要な場合の対応等準備はほぼ終えています。システムによる管理を行わない企業様のマイナンバー制度の職員教育、組織対応、安全管理体制などの構築の業務についての、コンサルタントを委託された企業様については、年内ほぼ完了の予定でほっとしています。

ところが、今月の入ってから会計事務所での対応が行われると思っていた関与企業様やフリーで問い合せをいただく企業様からの相談や業務委託が増えています。ほとんどが30名以下の従業員を雇用される経営者様ですが、導入前からいろいろな情報が入り乱れているために、何のための誰のための対策であるのか本質論の勘違いや、リスクが独り歩きし大げさに考えすぎて混乱されていることが多いようです。要は、個人情報が漏えいしない対策を社内で構築すれば良いだけの話です。
最も重要なのは従業員に対する対応です。重要な個人情報を会社が取得、使用、保管するわけですので高度な信頼関係に基づいた合意が必要です。日頃から労使関係の良好な企業様ばかりとは限りませんので、制度導入の趣旨と使用目的、特に退社後の個人情報の破棄方法、処分の時期などの説明は重要かと思います。基本方針や取扱い規程などの組織対応は順次行っていけばこれからでも十分間に合うはずです。小職も今週、来週とマイナンバー制度導入前の対策対応に追われそうです。