介護人材確保を考える

画像:飛行雲

  高齢化の進展と継続可能な医療・介護保険制度の運営とサービス提供体制の構築はその担い手である従事者の確保が課題となっていますが、介護サービスの担い手である介護従事者に焦点をあてた人材の育成や能力発揮のための方策について分析を行った研究結果が発表されました。これは2012年に実施した社会福祉振興。試験センターと介護労働安定センターが実施した調査の個票データー二次分析の結果を、新たな事実として労働政策研究・研修機構が発表したものです。


 介護福祉士の就業継続に向けては、男女問わず生涯働き続けることができる職場環境の整備と能力開発の充実、人間関係形成やマネジメントのできる人材養成の必要性を説いています。介護福祉士保有者の離職理由分布とその後の流出先、未経験者や潜在介護福祉士の流入阻害要因等に分析を行っていますが、離職要因となる法人理念や運営の在り方、実践との乖離を問題視しています。また、資格取得意欲と就業意識の応じた雇用管理と専門性向上やスキルアップの支援、取得希望のない者には安定した労働力として就業意欲を維持できる工夫が重要としています。



画像:広がる空の雲と田園風景

 就業者の現状について、8万人以上の回答をもとに分析を行っていますが、小職が着目したのは「職場満足度」の調査結果でした。以前に何か所か介護事業所で同様の調査を行っていますが、ほぼ今回と同様の分布結果になります。しかし賃金に関する質問では、大きな振れにはなっていませんが、明らかに満足、不満足の二極化現象が生じています。12項目のほとんどで、職場環境についての無気力・無関心また質問の判断に迷うという結果は共通しており、介護の職員には自らの処遇を経営側の方針に委ねるいわば諦めに近い心理があります。その中で「賃金」に関しては処遇の不公平感が示されています。ちょっと危険な感じがします。

 

  当面の介護人材の流入は、現在の状況の延長と考えると年間離職者約22万人の内、介護業界に残るのは年間約9万人、学卒就学者と他の職業からの入職者合わせて約14万人~15万人が事業参入することになります。業界を去った潜在的有資格者が戻ることは厳しい局面ですので、新たに業界入職する人たちを、いかに離職を少なくしていくか最良の対策になるでしょうか。現在の50歳代の男性離職者の多い現状の問題を改善して、マネジメント・スペシャリストでのキャリアステージが描ける人事の制度、労働環境の改善が急務であり、中期経営計画の中で早期に対応する必要があるのではないかと思います。