リスクマネジメントの企業戦略化

 「職場環境向上研修」の第3研修、「リスクマネジメントとリスクコミュニケーション」のプログラムでアイディアが出てきせん。研修の最初からプログラムのイメージはあったのですが、受講する職員さんにやってもらう演習のツールが出来ていませんでした。先行演習で使用する危険予知トレーニングの演習ツールは、社会福祉法人向けかつリスクアセスメントを理解するのに十分なものには完成しました。問題はこの先の小職がイメージする不測事態の予見と対策の本体である「見える化」のツールです。


 第2研修で使用した「職務能力分析シート」は、受講したみなさんから好評で、「オリジナルですか?」と聞かれましたが、ツールはオリジナルですが、根拠となる論文なり文献がありますので、オリジナル?にはならないかなと思います。今、作成している「リスクマネジメント・ツール」も、土台になる理論が多くあって、集合体としてのツールは「オリジナル」になると思いますが、それを形にするのが大変です。何よりも使う職員の皆さんが、使いやすく危険の想定や対策に有意なもので発展可能性の高いものに仕上げたいと思っています。



 そもそも、演習ツールもないのに委託事業である研修にこのプログラムを選んだのか?自分でも無謀かなとは思いますが、理由は「福島第一原発事故」です。

災害等のリスクを想定して危険源の特定、評価、対応策の検討またKYTを通じた緊急時の対策、役割分担と考えられるリスクマネジメント、コントロールはしてきたであろうと思いますが、事故は起こりました。リスクアセスメントの本質は「現状で想定できる危険の評価」ではなく、「事実を知る」ことではないかと思い、また現時点での対策は不可能の事実に目をそむけずに考え続けることではないかと思うに至りました。全ての対策が可能であるという思い上がりが事故を招いたのだと思います。

 

 社会福祉の事業は、その特性から事故の可能性が高い職種と考えています。「ヒヤリハット活動」や「危険予知訓練(KYT)」など熱心にリスクマネジメント活動を行っている法人は他の職種と比べても多いです。今回のテーマから要望では、施設内、職務遂行上の利用者に対するリスクマネジメントを想定していますが、企業リスクの問題は広義では終着(対策)がない事業運営そのものであると考えています。リスクマネジメントの企業戦略化が、ガバメントでありコンプライアンスであり企業内部統制に最も有効な手段ではないかと・・ちょっと脳みそがヒートアップしていますので、理屈っぽいブログになりましたが、完成するツールはきっと楽しんでもらえるものになると思います。