川上から川下へ

 日本能率協会によると、変化の厳しい経営環境の変化のなか現代の経営者の求められるコンピテンシー・アンケートの第1位は「イノベーションの気概」2位は「変化への柔軟性」でした。現代は答えのない時代だと思います。古くは高度成長の時代に比べても、経営者、政治家、専門家といわれる指導的立場にある人たちでさえ、「こうすればよい」といった明確な答えを納得する形で示される人が少なくなっています。


 以前、モノつくりの世界では「川上産業」とか「川下産業」といって生産者主体の考え方か、消費者主体の考え方かでこのような表現方法を使っていました。さすがにこのような表現は時代遅れになっていますし、消費者のニーズにあわせたモノつくりが当たり前で、どのメーカーも消費者の志向や動向を調査する仕組みシステムを持っています。今や「川下」からの見方、考え方が重要になっています。



 一転して雇用環境における人の使い方はどうかと考えると、いまでも経営者本位の考え方が主流のようです。現代は、消費者本位のモノつくり顧客本位の営業、市民本位の政治、そして社員本位の経営へと権威の移動と変質が起きています。「答えは川下」に移っています。マーケティングにおいても重要な思考です。

 

 人の労力を必要とする労働集約型事業(接客、福祉など)では、社員満足(ES)という概念は一般的に使われ、その先に顧客満足、利用者満足があり、部下本位のマネジメントが安定した経営実現のカギになります。

多様な働き方について議論が進んでいますが、労働力人口の減少局面では働く人の目線で人事制度を考えることが大事だと思います。