職務構造に関する研究(5万人の就業者Web職業動向調査より)

  労働政策研究・研修機構では、職業構造に関する興味深い研究結果を、このほど発表しました。この調査では幅広い職業に関して、実際の就業者から、その現状や変化、求められる要件(能力)、生活への影響等につき、体系的な情報収集を行いました。Web調査を利用、厚生労働省編職業分類の職業細分類で職業を特定し、職業毎に偏りがないようデータを収集しています。全体の収集数は2013年、2014年2年の合計で52,008名となっています。


   職業や仕事に関して、様々な立場から、仕事でのやりがい、仕事を通じての成長、職場での人間関係、等々が重要であり、このような要素が、職業の選択、そして定着や離職にも関係していると、しばしば言われてきました。ところがこのような面に関して、広く体系的に情報収集されたことはこれまでありませんでしたので、ここでは、このような面について、各職業の状況を幅広く捉えられる設問を用意し、データ収集をしたようです。



  因子分析を、「自律性・能力発揮・達成感・成長」、「良い人間関係・人や社会に役立つこと」、「キャリアアップ・賃金上昇」、「顧客やミスに気をつかうこと」という仕事の4つの要素にまとめることができました。この4つの要素を職種別にみると、専門的職業は「自律性・能力発揮・達成感・成長」と「良い人間関係・人や社会に役立つこと」が他に較べて最も高い結果となりました。。しかしながら、専門的職業は「顧客やミスに気をつかうこと」も比較的高かく、「キャリアアップ・賃金上昇」は、研究者・技術者が他の職種と較べて高い結果となりました。


 この4要素に勤め先や基本属性を加え、「継続希望」(「現在の職業をずっと続けていきたいと思う」)との関係をみると(回帰分析)、「良い人間関係・人や社会に役立こと」、「自律性・能力発揮・達成感・成長」、「キャリアアップ・賃金上昇」、「年収」の順にプラスに影響していました。職場の良い人間関係や自分の仕事が人や社会に役立っているという実感が、その職業を続けていこうという気持ちには重要であり、次に、自律的な仕事で、能力発揮でき、達成感があり、仕事を通じて成長できること、そして、勤続によってキャリアアップし、賃金が上昇していくことが重要であり、これらは年収が高いことよりも重要であるという興味深い結果となりました。