戦後復興の日本的成功

 ドラッカーは日本の戦後復興の成功をマネジメントの見地から面白い分析をしています。「日本的経営では強力なリーダーを育てているように見えない。波風を立てない小心な者を育成するうえではうってつけのように見える。わずか20年の間に、世界第二位の経済大国を独立心に富む攻撃的なトップマネジメントが、そのような土壌で生み出されたとは信じがたい」


 日本におけるマネジメントでは、最初の25年は年功序列によって昇進するため部下の職務上の育成、日常の人間教育などが第一の責務とされてきました。日本の組織ではあらゆる階層において、意思決定の責任を分担することに期待があり、組織全体から観点から意思決定を考え、権限による参加ではなく責任によっての参加が職務遂行上の価値とされてきたと分析されています。



 戦後の日本的経営は1920年以降に企業用に発展してきたもので、その契機がテイラーの科学的管理の導入であるとしています。これは確かだと思いますが、日本人は職務の設計や課業管理を行わずに仕事の内容が明らかになった段階で現場に権限と責任を預けます。組織全体が一体として仕事を行い、現場の職場グループが改善、調整など総合的なまとめを行うのが欧米との違いとされてきました。

 

  当時の日本の組織では継続学習が、革新的なもの、より生産的なものを受けやすく、仕事をより高度なビジョン、能力、期待値をもって行い、自らの所属、専門を超えて全体をみることができました。その職業観を特定のスキルのみならず磨いてきたのが小集団活動(QC)でした。近年、現場力の劣化について多くの経営者の方々がいわれますが、過去の成功事例から管理・監督者の方々の大きな気づきに繋がる一助になればというのが、私の最近の研修テーマになっています。