知識労働を考える

 ビジネスの世界では常識のように受け入れられている「マネジメント」という言葉を広げたのはドラッカーですが「知識社会」という言葉を広げたのもドラッカーです。資本や労働力に代わって知識が最も重要な生産手段になる社会を予言しています。知識社会とは資本主義社会の次にくる社会であることからポスト資本主義社会とも言われています。

 

 グーグルは2004年株式公開をした時に1株に10ある議決権のある株式ともう一つは1株につき1の議決権のある株式2通りを設けました。従来の株主には前者を、公開株式には後者を割り当てることで、会社の重要事項を決定するのは資本の提供者ではなく、知識を有して価値あるサービスを生み出す経営者であり社員であることを宣言したことに他なりません。

 

 

 

 そもそも知識は働く人が所有しその知識を持ち込んで別の場所に容易に移動することができます。ドラッカーはこうした知識を所有する労働者を「知識労働者」と呼びました。知識社会のおいて最も重要な生産手段を有し、自由に移動する「知識労働者」をいかに組織化して高いアウトプットを生み出すかがマネジメントの最大の関心事になっています。

 

 知識社会における「知識労働者」とは、手についた熟練や筋肉で働くのではなく、生産に関する創意、知識、情報で働く労働者とドラッカーは定義しています。専門化された高度な知識が生産的に活用され、かつその配分を知る知識の意思決定者であり、組織の成果に責任をもつ人ともいえます。このような人材の育成・活用こそ企業のイノベーションに繋がる急務ではないでしょうか。