われわれの事業は何か?

 ドラッカーのマネジメントでの冒頭の問いかけは「われわれの事業は何か」です。組織の成果を上げさせるのがマネジメントであるならば、組織の使命を知り、組織の社会的目的の実現を目指すことはトップマネジメントの責任であり、事業の方向性を定め目標を設定することもトップの役割であると断言しています。

 

  企業も社会における一構成員として病院や学校などの公的組織だけではなく何らかの社会貢献をする必要があると考えるのがマネジメント理論の核心です。企業もまた特定の社会的目的を実現して社会、地域、個人に必要な欲求を満すために存在し、特定のニーズを満たすための組織経営の在り方がマネジメントであるともいえます。この論理から営利組織である企業にあっても「利益」は手段であって目的になりえないことになります。


 

 

 そもそも利益とは社会、地域、個人の欲求を満足させた見返りとして得られる報酬に他なりません。企業として社会、個人の欲求を満足させるサービス、商品などを生み出すのかを明らかにすることが企業の存在理由ではないでしょうか。企業のあるべき姿(企業の価値観)に基づく組織員の行動が「行動基準」であり、一人一人のそのような働き方が企業の価値を高めることになります。

 

 例えば、物流事業の企業の使命を「物を運ぶ」と定義するのと「人の想いを運ぶ」と定義するのでは、おのずとそこに働く人々の動き方が変わってきます。後者では、物流を単なる作業とは捉えずに送り主の想いをお預かりすることも考える習慣がつき、そのような行動基準が物流の世界に新たなサービスを生み、顧客満足を充足することになります。組織の使命を定義することがいかに大事なことかと思います。