介護休業の弾力的運用が離職を防ぐ?

  労働政策研修・研究機構は、介護離職をはじめとする仕事と介護の両立困難の実態と両立支援の課題を明らかにすることを目的に、介護期の働き方や両立支援制度の利用状況、離転職の経験、要介護者の状態や家族との介護分担、介護サービスの利用状況、介護者の健康状態などを調査した「仕事と介護の両立に関する調査」結果速報を記者発表しました。

 

 企業における女性活用については、日本における若年労働力の減少は避けられず、これまでのように「男性正社員」を中心とした体制を維持することが極めて困難になってきています。人事マネジメントにおいても「ダイバーシティ(多様性)」の実現が叫ばれているように、少しでも早く女性が活躍できる“土壌”を形成しておく必要がありますが、今回の調査は、女性の「就労」と「結婚・出産・子育て」の「二者択一構造」の解消とワークライフバランスの実現に興味深い内容になっています。

 

 

 

   介護のために仕事を休む労働者は少なくないが、介護休業を長期間取得するより、短期間の休暇・休業で両立を図る割合が高いこと,介護開始時の勤務先で1週間を超える期間連続して仕事を休んだ経験がある正規労働者の割合は15.1%で、その日数は「2週間以内」の割合が最も高いこと、現在正規雇用で就業している調査対象者の約半数が、過去1年間に介護のために仕事を休んでいるが、その日数が7日を超える割合はやはり低いこと、などが明らかになりました。

 

  介護開始時に勤務先に介護休業制度がある場合や、実際に介護休業取得実績のある場合は離転職割合が低いことがわかりました。また、介護休業を分割取得できた場合やさらに残業や休日労働を免除する制度(所定外労働免除制度)がある場合など離転職割合が低くなっています。介護に関して弾力的かつ有用な取得を可能とする職場環境になっている勤務先では離退職者が少ないことがわかり、今後、中高年期などの人生の各段階において男女とも多様な働き方の選択が可能な企業、社会の実現が必要ではないでしょうか。