日本人の職業教育

「ジョブカード」制度の見直しを検討していた厚生労働省の「キャリア・パスポート(仮称)構想研究会は、9月下旬に中間報告を労働政策審議会能力介開発分科会に報告しました。この制度は主に正社員経験の少ない非正規雇用者などを対象に実践的な職業訓練の提供と訓練実施期間からの評価や職務経歴をカードに記録することで正社員への就職の道へつながる目的で創設されました。

 

 今回の見直しでは、制度利用者の大半が職業訓練受講生であったジョブ・カードを学生時代から生涯に通じて活用し、自分の職務や実績・経験・能力などを明確にできる「キャリア・パスポート(仮称)」に改めるそうです。少子高齢や産業構造の変化に対応できる「人材力」を強化し成長分野への円滑な就職促進につなげる考えのようです。



 

 アメリカの産業モデルでは、外部労働市場の発達とともに人々の価値観もキャリア形成のために必要に応じて転職するのも当然としています。個人レベルでも、自分の意志で職業を選択してキャリア目標を達成しやすい仕組みが作られています。


 日本においては、本来、一企業における長期就業を基本として企業内の教育訓練やOJTでの能力向上、職務分掌で個人負担も少なく評価と報酬の格差も比較的少なく安定した雇用が期待できました。学生教育の考え方も違う環境で、いきなり職務主義的な思想を取り入れようとしても難しいのではないかと思います。いまこそ企業内でのOJTを考え直す時期にきているのではないでしょうか?