女性就労とオランダモデル

総合研究開発機構(NIRA)は10日、複数の有識者へのインタビューを通じ、日本が直面する課題について、多様な論点を提示する『わたしの構想』No.5をホームページに掲載しました。オランダのパートタイム雇用モデルが、長時間労働に悩む日本女性にとって就業促進の有効な手段となるのか、5人の識者に意見を聞いています。

オランダモデルとは、パートタイム労働とフルタイム労働の待遇を均等化し、また、労働時間の短縮・延長を労働者が申請する権利を認めるなど、労働時間の選択の自由度を高めたことが女性の就業率アップに貢献してきたとされています。わが国においても、均等待遇によるパートタイム労働の積極的な推進は、女性の社会参画に寄与するのかを論点として、様々な角度から意見を述べています。

 

 

 権丈英子 亜細亜大学経済学部教授は、「オランダにおける人材活用のアプローチは、労働時間の選択の自由度を高め、希望に沿った形で多くの人が働く参加型社会を目指すものだ。個人は、子育てやスキルアップなど、自分の人生設計に合わせて労働時間を調整することができ、ワーク・ライフ・バランスをとりながら、長いスパンで仕事が続けられる。」としています。

 また、八代尚宏 国際基督教大学客員教授は、「その基本的な考え方は、欧米型の職務の範囲を明確にし、同一労働・同一賃金の原則を確立することである。日本では、職務の概念が不明確であり、周囲の人の仕事との分担も曖昧で、個人の成果が不明瞭となりがちだ。」だとして、労働生産性を長時間労働で補う仕組みを脱却して、企業内外の人材活用を積極的に男女問わずに図ることが重要だとしています。

 

 今後、女性就業の促進政策が進む中で、ワークライフ・バランスは重要な課題となりますが、その一方で職務の概念を明確にして個人成果に報いる仕組みづくりなどオランダの例を参考にしながら、企業のみならず社会全体の改革が必要になると思われます。