正社員求人動向の考察

厚生労働省は6月27日、職業安定業務統計などを活用して労働市場を多角的に分析する「労働市場分析レポート」の第36号を公表しました。平成17年度以降の正社員求人の推移と、平成23年度以降におけるその産業的特徴について分析しています。平成25年度の有効求人倍率は0.97倍で、このうち、正社員の有効求人倍率は0.58倍となっています。また、新規求人倍率は1.53倍で、このうち、正社員の新規求人倍率は0.90倍となっています。有効求人倍率、新規求人倍率ともに、平成21年度を底に上昇しており、正社員の求人倍率も上昇していますが、その水準は相対的にみて低い結果となっています。

 

 

産業別に新規求人数をみると、「医療,福祉」、「サービス業(他に分類されないもの)」、「卸売業,小売業」、「製造業」、「建設業」、「宿泊業,飲食サービス業」、「運輸業,郵便業」の順に多いようです。これらの主要産業について正社員求人の割合をみると、建設業、運輸業,郵便業で5割を超えており、特に、建設業で高い水準にあります。傾向としては雇用確保の困難な産業に正社員求人の割合が高く、その他の産業では正社員の求人は低下傾向にあるようです。

 

一方、パートタイム労働者の有効求人率及び新規求人倍率とも上昇傾向にあり、私はこの傾向は当分続くのではないかと考えています。平成23年度パートタイマー労働者総合実態調査でも、就業理由を半数以上の人が「自分の都合の良い時間に働きたい」ことを第一の理由とし、35%の人が「勤務時間が短いこと」を挙げています。今後、子育てや介護など地域包括ケアシステムでの女性の役割は大きく、フルタイム就業の女性労働者を増やすことよりも短時間雇用にふさわしい職務(課業)配分を行い、ワークライフバランスの充実に向けた就業形態を創出することが急務ではないでしょうか。正社員の不足する産業においては、パート労働者の勤務実態に応じた有効活用が大きなカギになると思われます。