地域包括ケアシステム

医療法や介護保険法の改正案を一本化した地域医療・介護総合確保推進法(医療・介護法)は18日の参院本会議で、与党などの賛成多数で可決、成立しました。この法律は社会保障制度改革の実施スケジュールを定めたプログラム法(昨年12月成立)の内容を具体化するもので、医療・介護法は、高齢者に偏重していた制度を見直し、経済力によっては高齢者にも応分の負担を求めるとしたのが特徴です。また現在、厚生労働省ですすめている、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステム構築のスタートを意味しています。

 

 

しかし、政府の本当のねらいは、高齢者、国民の要望を逆手に取り「地域包括ケアシステム」を介護・医療の新たな「公費抑制・効率化システム」としてつくりあげ、機能させる点にあります。「自助・互助・共助・公助」の役割分担論による「自己責任」を土台にして、「権利としての社会保障」の理念を全く否定し、介護保険が創設当初かかげた「介護の社会化」の理念の全面放棄であり、財政保障を含めた国の責任を縮小することを前提に「地域包括ケアシステム」に関わる様々な権限を市町村に丸投げをしようとしています。

 

今後、市町村は生活上の安全・安心・健康を確保するために、医療や介護、予防のみならず、福祉サービスを含めた様々な生活支援サービスが日常生活(日常生活圏域)で適切に提供できるような地域での体制を構築することになります。現在でも不足する医療・介護労働者をいかに確保、拡充するか、また、独居高齢者の認知症による徘徊防止など課題が山積していますが、中学校学区毎に作られようとしている地域における拠点を面として拡大、展開する施策が必要になると思われます。新たなビジネスを創造する智慧が求められますね。