社会保険適用拡大の雇用環境への影響

この度、労働政策研究・研修機構では「社会保険の雇用拡大が短時間労働へ与える影響調査」を実施、社会保険の適用拡大が短時間労働者の雇用管理に及ぼす影響や適用拡大された場合の労働者の対応移行等を探るため、事業所とそこで雇用されている短時間労働者を対象にアンケート調査を行うという興味ある調査結果が発表されました。

 

事業所調査では、半数超える事業所が社会保険の適用拡大されたら短時間労働者の雇用の在り方を見直すと回答しており、具体的な見直し内容については適用拡大要件に該当しないように所定労働時間を短縮してその分多くの短時間労働者を雇用するが32.6%と最も多い回答でした。次に短時間労働者の人材を厳選して今より長時間の労働をしてもらって雇用する人数を減らすのが30.5%、労働時間や賃金水準を見直して適用不該当とする(24.3%)となっています。

 

 

 

労働者調査では、厚生年金・健康保険の被保険者に加入することを希望するかの質問に「希望する」割合が26.5%に対して「希望しない」の割合は72%でした。希望する人の現在の社会保険加入状況別では自らの保険料拠出がある国民年金第一号被保険者の半数が希望しています。社会保険の適用拡大に対して働き方を「変えると思う」割合が61.8%で具体的内容については適用されるように収入・時間を増やすが26.7%、適用にならないように時間数を減らす14.5%、無回答がもっとも多く36.3%でした。

 

社会保険の適用拡大については、より労働時間が短くなるか長時間化し正社員を望む二極化が進むことが予測されます。4月の労働契約法の改正により有期労働契約に新しいルールが取り入れられました。無期労働契約への転換、雇止め法理の法定化、不合理な労働条件の禁止など新しいルールのもと短時間労働者を含む有期労働契約で働く人が安心して働き続けられる社会の実現を目指しています。年金財政の問題が、雇用環境をより悪い方に向かわせてしまうという大いなる矛盾を感じています。