課長の苦悩

近年、多くの企業で人材育成の取り組みの重要性が取り上げられています。社外での研修による業務遂行上の能力訓練(Off-JT)と従業員が業務を行う上で必要になる技術、能力を現場の上司が実際に業務を行いながら指導する職場内訓練(OJT)の連携による従業員教育が一般的です。このOJTの一翼を担う、100名以上の上場企業の課長を対象として実施したアンケート調査を、産業能率大学がこのほど発表しました。

 

プレーヤー業務を兼任している課長の割合が9割を超え、その弊害として「美化に育成」や、「自分自身のスキルアップ」に充てる時間がないとの回答が目立っています。また、プレーヤーの立場に戻りたいとする割合が急増しており、マネジメント業務とプレーヤー業務のはざまで苦悩する課長の姿が垣間見えます。

 

 

 

2年前の第1回調査に比べ、99.2%が職場のマネジメントを担いつつもプレーヤーとしても業務をしていますが、仕事の半分以上がプレーヤーと回答が48.2%と8ポイントあまり増加しています。さらにプレーイングマネジャー化が進んでいる実態がわかります。

 

 

現在の悩みについて尋ねたところ、最も多かったのが「部下がなかなか育たない」48.1%で前回調査より12.1%増えています。次に業務量が多くて余裕がないとの回答が37.3%となっています。プレーヤー業務を兼務する弊害として6割近い人が、マネジメント業務に支障があると答えています。支障を与える業務として部下の育成と指導(60.4%)、部下のメンタルケア(26.3%)、労務管理(26%)となどを挙げています。余裕のなさから前回調査と比べてプレーヤーに戻りたい課長が4割増加しています。

 

今後、ますますこの傾向が強まるのかもしれませんが、一上司にその責務のすべてを負わせるのではなく、現場、人事、教育を担当する部門を超えて信頼と連携をもとに、組織強化に向けた体制作りが必要な時代だと思います。