Wワーク、労働契約、労務管理上の注意点

画像;居酒屋

 オープンイノベーションや起業への期待、人材の活用の側面から政府は「副業・兼業」の企業の取り組みの普及促進をしています。スキルアップや資格の活用、十分な収入の確保など、副業・兼業を希望する人は年々増加傾向にあります。最近、当事務所にも人材不足に悩む飲食業・小売業などから本業のある人の採用に関しての質問・相談を受けることが増えてきています。しかし、多くの企業では就業規則で副業・兼業を認めていない企業がほとんどですが、会社に内緒で副収入を得たいという人が増えているようです。

 

 政府が普及促進しようとしている「副業・兼業」とは意味合いが違いますが、労働時間管理、健康確保措置、労災保険の3点の視点から、労働契約、労務管理上の問題点を説明します。

 

 労働時間は、事業場が違っても労働時間に関する規定の適用については通算されることになっています。(労基法38条)(昭和23年5月14日基発第769号)

 

 労働時間が1日8時間の法定労働時間を超えて労働させる場合、Wワークを承知で労働契約をさせる場合、時間外および休日の労働に関する協定(36協定)を締結し、割増賃金を支払わなければばりません。(労基法37条)すなわち、アルバイト、パート契約をした飲食業、小売業の経営者が25%を加算した賃金を支払うことになります。また、週1日でも、週40時間を超える部分は、割増賃金を含む時間給になります。

 

 法定労働時間を超えることになる使用者は、福島県の最低賃金を考慮すると時給935円を超える時間給で契約しなければなりません。この条件でなければ、最低賃金法違反の可能性が大きくなります。また、健康確保措置の観点からも法定時間を超える労働時間の限度(1か月:45時間、1年:360時間)を超える労働は原則認められず、長時間労働などの虞がないように健康確保の措置を講じる努力義務が生じます。労災事故の際しても、休業に関する補償は副業先の賃金で決定されますので、甚だ不利な内容になります。

 

 人手不足で労働力が欲しい現実は理解できますが、注意が必要です。

 以下に、平成30年1月の公開された「副業・兼業の促進に関するガイドライン」Q&Aをアップします。

 

 

「副業・兼業の促進に関するガイドライン」Q&A.pdf
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