コロナ禍で事業を続けるために今すべきこと。

7月2日以降、東京都での新型コロナウイルス感染者数が100人を超え、小池知事は不要不急の外出、他県への移動を控えるなどの要請を行いました。政府は再度の緊急事態宣言の発出には否定的で、このままでは感染の拡大が避けられない危惧と、経済活動の停滞から企業の存続も危うい事態を憂慮する声も多く聞こえてきます。過去の感染症「スペイン風邪」のパンデミック時も1918年から3年間続きましたので、同様の影響は考慮する必要がありそうです。1918年春、台湾巡業から戻った相撲力士から感染が広がり複数の力士など死亡が確認されています。当時、感染症に関する情報が少なかったこともあり、良く分からないまま収まったかにみえましたが、その年の10月から感染者が翌年7月まで約2117万人に激増、死者も約26万人と多くの犠牲者を出しました。翌年(1919年)には、8月から1920年7月までの致死率が5.29%に拡大し、約13万人の死者を出しました。今回の新型コロナも1918年パターンに似て、秋の再感染を危惧する声も聞かれるようです。
東京都における新型コロナの感染源は、夜の繁華街といわれますが、正確には感染防止対策を怠ったホストクラブやキャバクラ等の夜の街の「職場」です。感染症は「職場」「公共交通機関」が主な感染源です。働く職場の感染対策と公共交通機関をなるべく使わない、もしくは時差出勤等の朝晩のラッシュ時間をさけるなどして感染を防ぐことが常套手段だと思われます。コロナ禍の事業継続を考えるときに、職場に感染源を入り込ませない、また入り込むことを想定して飛沫・接触の感染経路の遮断措置を講じるなどの対策を全社的な活動として行うことが重要と私は考えています。現在のウイルス検査の体制改善がされないとなると、従業員ひとり一人が職場を感染クラスター化させない意識が大事です。

コロナ禍で事業を続けるための計画作成の話し合いの場を作ることが最初のアクションです。労使間で問題を共有するためには、何のために作るか?・・従業員と顧客を感染から守ることが大前提となりますが、そろそろ雇用を守るための収益の確保も議題とする必要があります。ウイルスとの長期の共存となりますので、ウイルスが猛威を振るうときに、中核事業の規模縮小計画と収益性確保のための対策など全社的課題として取り組む時期だと思います。(すぐに答えは出ないとしても、事業システム全体を見直すことでアイディアが湧き出ることがあります)有効な感染防止対策を合わせて構築して従業員の安全・安心な職場を形成することが、事業者に課せられた安全配慮義務です。
感染症対策の就業ルールは、多くの企業で就業規則等の感染症罹患の際の条文として既定していると思います。条文としては罹患時の就業拒否や疑いの際の出社禁止の内容が多いので、各々、回復後若しくは疑いが消えたときにで就業や出社が可能となるのかの内容も必要になります。出社禁止による休業手当の支払いについて、また罹患した際の健康保険若しくは労災保険への求償の問題など条文化して示すことで働く人の安心が得られます。事業縮小による計画休業を予定するのであれば、労使協定と計画表などの準備、想定のなかで中核事業の展開などの検討も必要になります。コンサルタントとしての経験で言わせていただければ、事業継続計画の作成は職場の「職場開発」の取り組みとしても有効で、過去の成功体験や偏見に捕らわれず新たな何かを生み出す実践体験です。本当に気づきが多いです。(多くなければアクシデントの対応はできませんけど・・・)ぜひ、ご準備ください!