すでにご案内の通り、平成27年4月から、パートタイム労働者の公正な待遇を確保し、納得して働くことができるようにするためのパートタイム労働法や施行規則、パートタイム労働指針が変わります。従来、無期労働契約を締結しているパートタイム労働者が、職務内容、人材活用の仕組みが正社員と同じであれば、賃金、教育訓練、福利厚生施設の利用などを含めすべての処遇について正社員と同じに扱わなければならないとされていました。(法第9条)

 

この規定は、有期労働契約を締結するパート労働者にも適用され、職務内容、人材活用の仕組みが同じであれば正社員に支給されている各種手当も改正後は同様に支給対象となることが考えられます。

パートタイム労働者と正社員の待遇相違は、職務内容、人材活用の仕組みその他事情を考慮しても認められるものではないときは、待遇原則の規定に基づく雇用改善が求められます(法第8条)

 

 

「通勤手当」という名称であっても、距離や実際にかかっている経費に関係なく一律の金額を支払っている場合のような、職務の内容に密接に関連して支払われているものは、正社員との均衡を考慮しつつ、パートタイム労働者の職務の内容、成果、意欲、能力、経験などを勘案して決定するよう努める必要があります。(施行規則第3条)

 

パートタイム労働者を雇入れたときに、事業主が文書の交付などにより明示しなければならない事項に「相談窓口」が追加されます。(施行規則第2条)

指針では、パートタイム労働者が法第14条第2項に基づく説明(事業主が講ずる措置の内容等の説明)を求めてきたことを理由に、不利益な取扱いをしてはならない。不利益な取扱いを恐れて、パートタイム労働者が説明を求めることができないことがないようにすることが求められます。

 

企業は従来パートタイマーを雇用調整の安全弁として、あるいは低コストの労働力としてみてきましたが、今後は自分の生活や時間を大事にしながら自分の能力や経験を活かすという積極的な目的意識を持って就労する人達が増えてくると思われます。こういった事情も踏まえ、使用する企業もパートタイマーを積極的に戦力化しようとする意識改革が必要となるでしょう。

 

改正パートタイム労働法のリーフレットはこちらからダウンロードできます。