「人材不足時代」の人事・労務制度の作り方支援

わが国の15歳以上65歳未満の人口(生産年齢人口とされます)は、1995年にピーク(約8720万人)を迎え、その後、一貫した減少傾向が続いています。

 

 2015年には約7682万人(-12%)まで減少した生産年齢人口ですが、今後、2025年(7085万人)、2035年(約6343万人)、2015年から約18%の減少比が予測されています。公的年金などの社会保障制度などの問題として取り上げられることが多いようですが、中小企業にとって、付加価値や生産性を実行していく、重要な経営資源の一つである「ヒト」の減少は、看過できない経営上のリスクです。

 

 生産年齢人口の減少に対して、労働力の担い手として期待されているのが就業していない女性や高年齢者層です。実際1995年から2015年までに生産年齢人口は約990万人減少していますが、就業者数は81万人の減少に留まっており、女性や高齢者のよる就労拡大が労働供給を下支えしていることがうかがえます。就業形態の変化では、非正規雇用がこの時期の増加しており約15ポイント上昇してします。また、その要因は60歳以上、59歳以下の女性の増加と分析されています。その多くは、さまざまな業種において「定型業務を担う人材」「正社員の補助的業務を担う人材」「事業運営に不可欠たる労働力を提供する人材」、いわゆる労働人材として企業を支えてくれています。この人材が働きやすい職場環境の整備は、中小企業の重要な人材戦略足りえます。

 

 これからの企業経営において、地域環境や業種特性から人材の供給動向の把握と労務コストの水準を注視することも必要になります。近年、非正規雇用者の賃金格差是正にむけ、毎年最低賃金の上昇が続いていますが、パートやアルバイト雇用率の高い小売業、飲食業での人件費負担が高まっています。最低賃金の上昇水準以上の付加価値の増加が求められますが、それが実現できなければ業務フローの見直しや改善活動などのさらなるコスト削減を取り組む必要があります。賃金水準の安定は人材の定着つまり流失の抑制、従業員の辞めない事業所という観点からも非常に重要なテーマであるといえます。

 

 

就業者から見た、人材育成や定着のために必要だと考える企業の取り組み(中核人材)・・中小企業白書2017

 

 

 2017年の「中小企業白書」(中小企業庁)の、各業種における高度・専門的・管理的業務を担う人材(中核人材)からみた人材育成・定着のため必要と考える企業の取り組みについてのアンケート結果です。

 それぞれの人材が重視する企業の取組を見ると、「能力や適性に応じた
昇給・昇進」、「成果や業務内容に応じた人事評価」といった評価に関する項目については男女間で大きな違いが見られない一方で、「職場環境・
人間関係への配慮」、「勤務時間の弾力化」といった労働環境に関する項目や「育児・介護に係る補助・手当」といった項目については、より女性において重視する傾向が見られます。

 

 このような結果からも、特に企業の核となる「中核人材」の雇用と定着に関しては、人事制度(しくみ)と労務管理(運用)は一体として取り組む必要性を弊事務所は感じています。人事制度として立派に仕上がっていても、人手不足時代では運用は弾力的工夫が必要な場面が多々あります。在宅勤務、変則シフトなどの業務フローの根本的な見直しなど従業員個々のニーズへの配慮を必要とします。

 

具体的には以下の4つのポイントの組み合わせです、違う制度のように見えますが基本的なフレームワークは同じです。

 

現在の業務をどう動かすか・・将来に向けて変化に対応できる組織とは・・「業務改善」と「組織開発」のページです。

個人(人)の「品質管理」の維持・向上のための人材育成から・・・組織での役割・課題認識の関係性を視座とした「能力開発」のページです。

共働き世帯が増える中、出産・育児・教育・介護、社員の人生における出来事に備える働き方(ワーク・ライフ・バランス)は、企業の課題です。

会社での仕事と家庭生活の道筋が描ける制度です。課業管理や能力開発の制度で、人材ポートフォリオ(長期人材計画)企業の安定には必須です。

 わが国の人口減少に起因する「人材不足時代」はすでに始まっており、さらなる事態の進展、将来に向けて中小企業の経営者は、より多くの人材がより多様な働き方を実現できる場を提供するという重要な役割が期待されています。

 

 中小企業が持続可能な成長を遂げるためには、女性、高齢者、非正規雇用の活用のみならず、多様なニーズを持つ従業員が個人の希望にあった働き方を選択できる機会を提供するなどの、多様な人材活用が不可欠です。

 

 現在、企業が有する技術や知識を次世代に引き継ぐことや製品・サービスの付加価値を向上させるための必要な人材育成の制度・働き方の整備は今初めても早すぎる時期ではありません。弊事務所は、全力でご支援させていただきます。

 

 

 

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