
事業継続計画の策定にあたり、事業の継続が要請される事業と自粛を要請される事業があります。国及び地方公共団体の行動計画、新型インフルエンザ等対策特別措置法、その他関係法令をチェックし、個々の業務において社会的必要性を懸案して継続すべき事業と自粛すべき事業を検討する必要があります。また、スポーツ施設など不特定多数の人が集まる施設等は自粛を要請されますので業務の休止、縮小に伴う売り上げの減少、途絶の備えた経営維持、存続の対策が必要です。
新型インフルエンザ拡大期には、すべての事業者が従業員の感染による労働力の喪失、休業、減産、流通の停滞によりサプライチェーンに大きな制約を受けることが予測されます。事業の影響分析と重要業務の特定を行い、特に社会的機能維持にかかわる事業者は重要業務継続の不可欠な取引業者の洗い出しと双方での対策を講じる必要があります。サプライチェーンの確保は重要ですので、幾重にも想定外を想定して対策を行ってください。
企業内の各部署においても、従業員本人や家族の発症により相当数の従業員の欠勤が予想されます。不要不急の業務の一時停止、部署の一時休業等を対策を講じることで、長期にわたり多数多数欠勤した場合に備えて、重要業務の補助要員などの運営体制や業務の性格に応じた検討、対策を講じることも、補助要員の教育、訓練(クロストレーニング)も平常から行うことも可能になります。その際、小職としては重要業務の職務調査と課業分担表の作成をおすすめします。
危機管理組織の設置と事業継続基本方針は、代表者が自ら行うか全権委任して特定の責任者が全責任を担って行ってください。特に強毒性新型インフルエンザの病原性、感染力の強さは通常の季節インフルエンザを超えるものと想定されていますので、責任者の情報伝達と意思決定が感染拡大を防止する最良の方法と思います。発熱情報等の従業員の健康管理に関する責任者、衛生委員会、産業医など協力して感染拡大期における社内での衛生管理体制や感染者の搬送などの対策を講じておく必要があります。